サブリース賃料の減額請求について

 昨今、サブリース賃料の改定に伴い不当な賃料減額請求を受け、悩み苦しまれているオーナー様が数多くおられます。サブリース契約の場合、賃借人との共同事業に協力し、かつ賃貸人が建物建設等に関し多額の借財を抱えるといった特殊な事情があり、これらを十分踏まえた上で賃料保証がなされることになります。

 

 この場合、賃借人が保証賃料を支払い続けることができる限り問題は生じません。しかし、ひとたび賃借人から借上賃料の減額交渉を求められると、賃貸人は事業収支に基づく資金の返済計画が狂わされ、自己破産の危機に追い込まれる可能性もあります。

 

 この点、サブリース契約の賃料減額請求権に関する司法の判断は、借地借家法第32条1項に基づき、賃借人からの賃料減額請求権は認めるとしながらも、相当賃料額を踏まえたものとする見解に立っています。

 

 この相当賃料額とは、契約締結時において当事者が賃料額決定の要素とした事情(賃料保証に関する事情・建物建設に伴う借入金に関する事情)を総合的に勘案することにより求められる賃料であります。

 

 現実問題としてサブリース契約に基づき合意される保証賃料額は、上記のような特殊な事情を含んでいることから減額ができない賃料とも言えます。

 

 この点につき、相当賃料額の評価について従来の鑑定評価基準では、契約当初において賃貸人が建物建設に関し多額の借財を抱えるといった借入金に関する事情は一切考慮されませんでした。

 

 その結果、司法の場において当該事情が勘案されていない不動産鑑定評価書は否認され続けるという状況にありました。

 

 そして、これら由々しき状況を打開すべく平成26年5月に鑑定評価基準の改正が行われるに至っております。

 

 一方で、サブリース賃料評価に関する依頼目的が賃料訴訟といった係争を意識した評価依頼になることを勘案すると、具体的な評価に関する指摘がなされた最高裁差戻審東京高裁判決(平成16年12月22日)及び東京高裁判決(平成23年3月16日)が参考となってきます。

 

 これら判例は、契約当初の借入金に関する諸般の事情を十分勘案し、係争当事者間の利益考量を図りその評価を踏まえた判決内容となっていることから、サブリース賃料評価に関する説明責任にも応え得るものといえます。

 

 粉骨砕身、世の中が求める利益考量を勘案した最善とされるサブリース賃料評価を行うためには、上記判例解釈等を踏まえた日々における賃料評価の研鑽が必要不可欠と考えております。

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