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前段の建物の鑑定評価を踏まえながら、現行の鑑定評価基準を掘り下げてみたいと思います。
現行の鑑定評価基準では、以下の通り記述がなされていますが、これに関し前段の建物の鑑定評価を踏まえ、建物の敷地利用権(場所的利益)を勘案した提案をしてみたいと思います。
Ⅰ.建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における建物のみの鑑定評価
(現行基準)
この場合における建物の鑑定評価額は、積算価格を標準とし、配分法に基づく比準価格及び建物残余法による収益価格を比較考量して決定するものとする。ただし、複合不動産価格をもとに建物に帰属する額を配分して求めた価格を標準として決定することもできる。
(改正基準(案))
この場合における建物の鑑定評価額は、積算価格を標準とし、配分法に基づく比準価格及び建物残余法による収益価格を比較考量して決定するものとする。ただし、複合不動産価格をもとに建物に帰属する額を配分して求めた価格を標準として決定することもできる。なお、上記にて求められた価格については、その敷地利用に関する利用権(場所的利益)を勘案するものとする。
Ⅱ.建物及びその敷地が一体として市場性を有しない場合における建物のみの鑑定評価
(現行基準)
この場合の建物の鑑定評価は、一般に特殊価格を求める場合に該当するものであり、文化財の指定を受けた建造物、宗教建築物又は現況による管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産のうち建物について、その保存等に主眼をおいて行うものであるが、この場合における建物の鑑定評価額は、積算価格を標準として決定するものとする。
上記に掲げた現行基準につき、Ⅰ.建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における建物のみの鑑定評価は、土地・建物について市場性を有する権利関係(同一人では評価ニーズが出づらいが、親子関係であれば評価ニーズが出てくる。)が成立する場合における建物のみの正常価格を求める評価であり、Ⅱ.建物及びその敷地が一体として市場性を有しない場合における建物のみの鑑定評価は、その保存等を主眼とした特殊価格を求める評価であります。
しかしながら、このように市場性の有無により求める価格の種類が異なるにも係わらず、その評価手法の適用が原則「積算価格を標準とし鑑定評価額を決定する。」とした考えには、違和感が出てくるところであります。
このような現行基準の考えに対し、最高裁の見解となる建物価格に場所的環境(使用借権)を考慮すべきとした考えに歩み寄る姿勢が重要であると考えます。
また、近親ならではの相続問題では、使用借権(場所的利益)の価値把握が必然となる場合が多く、鑑定評価基準での勘案は必要不可欠であります。
これらを踏まえ、前段に掲げた現行基準の改正を行うことで、最判(昭和35年12月20日)の趣旨も踏まえられ、司法が望む評価と鑑定評価基準との関係性がより望ましいものになると思料されます。
担当:小林
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